株式市況
 





CME日経平均のチャート
 高い開発力や価格競争力、高度なマーケティング戦略、そして何よりも経営の素早い決断力を武器に欧米や日本の先進国市場でも続々と受注を獲得しています。 IBMのパソコン部門を買収後、業績の維持やブランド力の向上に苦しんでいるレノボを尻目に、今後も国際化戦略の独自路線の歩みを止めそうにありません。 しっかりしましたコアコンピタンスを持ち世界を相手に果敢に勝負を挑む華為の成長モデルは、今後の中国企業の見本になっていくでしょう。  支払いました法人税も74.78億元に上り、華為を除きました売上規模上位9社の合計に相当します。政府から見てもまさに「孝行息子」の出現です。 中国初の民営企業として今年の「フォーブス500」にランクインしそうな勢いです。  そうしました全体の傾向の中で、一方で、中国通信機器最大手の華為の躍進には目を見張るものがあります。 売上高は前年比30%増の659億元を達成しており、去年のランキング5位から3位に確実にステップアップしています。 売上規模はレノボやハイアールに及びませんが、収益力に目を向ければ華為の圧勝といえます。 2006年の税引き後純利益は41.36億元で第2位のハイアールの15億元を大幅に上回っています。

 売上高利益率も年々下降線をたどっており、2006年は2.09%にまで下がってしまいました。グローバリゼーションに直面している中国企業に真の強さはまだ身についていませんというのが現状のようです。  しかし、こういきました楽観的な数字ばかりではありません。トップ100社の合計純利益は初のマイナス成長を見せて前年比で4.9%も低下し、223億元しかないというのも見逃せません。 トップ10のうち京東方科技、TCL、上海広電集団など上位企業は国際展開の失敗や多国籍企業との競合激化などにより大幅な赤字を計上しています。  企業のコアコンピタンスに直結するR&Dへの投資もトップ100企業の合計は前年比21.1%増で434億元となりました。売上高に占めるR&Dの比率も3.9%となり、全産業平均の2.1%より1.8ポイント上回っています。 R&Dに最も力を入れている企業は華潤微電子、中興通信、華為であり、それぞれの対売上高比率は43.6%、12.3%、8.9%に上ります。  中国の電子・IT企業の売上規模は引き続き拡大していることが伺えます。トップ100企業の売上高の合計は初めて1兆元(1元=約15円)超えを達成し、前年比16.9%増の1兆1236億元となりました。 上位2社は昨年同様パソコン大手のレノボと家電大手のハイアールで、それぞれ1389億元、1080億元でランクインしています。 3位以下のトップ10には華為技術、上海広電集団などが名を連ねます。

NYダウとナスダックの動き
NYダウ ナスダック
 中国の電子・IT企業の所管官庁である中国信息産業部は2007年版「電子・情報企業トップ100」のランキングを発表しました。 売上高に純利益や法人税、研究開発(R&D)の予算規模などの主要指標を取り入れて評価する方法で、中国IT産業のもっとも権威のあるランキングとなっています。 結果をもとに、中国の改革・開放をけん引してきました花形産業であるIT企業の本当の実力はどの程度のものなのでしょうか。

 これらすべての根源は、中国企業のイノベーション力の欠如によるものであることはいうまでもありません。 このまま放置するといくら図体ばかり大きくなっても企業の長期的な成長も見込めなければ、産業全体の発展も見込めません。  その結果、中国企業が生産しているテレビや携帯電話端末、DVDプレーヤーなどの最終製品はすべて生産過剰になりました。 対照的にICチップやハイエンドサーバー、システムソフトなど産業のキーコンポーネンツはいまだ輸入に頼らざるを得ない状況にあります。 つまり、産業チェーンの一番付加価値の高いところを外国の企業に取られ、中国企業に残されているのは利益の出にくい「組み立て型」産業だけです。  中国の電子・IT産業の構造的なゆがみはいくつかの側面から見ることができます。まず、ソフトとハードのアンバランスです。 とっくにデジタル時代に突入しているいま、中国の電子・IT産業におけるソフトとハードの売上規模の比率はいまだ1対9です。 米国の3対5は極端な例ですが、あまりにもソフトの割合が低すぎます。そして、貿易においても廉価な労働力を生かしました加工型貿易はいまだ主流で、高付加価値製品の輸出産業は育っていません。 この2つの要素に地域の不均衡やハイエンド人材の不足などを加えました構造的なゆがみは、すでに産業発展のボトルネックになっているのです。  これはつまり、産業にキープレーヤーが存在せず、企業の規模に関係なく全員が同じ土俵に立って過剰な競争が行われていることを表しています。その最悪の結果はコアコンピタンスを持ち合わせないまま、価格競争に走り共倒れになることです。  今回の発表の背後には、中国企業を分析するにあたって大きな落とし穴が隠れています。それは電子・IT産業全体のイノベーション力の欠如による、産業構造のゆがみの深刻さです。 合計純利益のマイナス成長や売上高利益率の低落などはもちろん、上位100社の売上高合計の全産業に占める割合が年々低下していることからも、成長鈍化の傾向が読み取れます。 この割合は、2006年は24%となっており、2000年の50%から大きく下落しました。

 そして、製品のコア技術を握ることのできる分野に積極的に進出するのも民営企業の大きな特徴です。 これも民営企業の高収益力につながっています。 政府のバックアップなどにおいて国有企業より劣勢に立たされてきた民営企業だけに、ここまでの成長は自社の経営努力の結晶ともいえるでしょう。 柔軟な組織体制や高いレベルの開発投資、旺盛なチャレンジ精神など、地道な努力を重ねる民営企業の成長は、中国産業全体の底上げにつながるはずです。  民営企業の共通点は成長スピードの速さです。5位にランクインしている美的集団の売上高は2003年の175億元から3年間で約3倍増の成長を見せています。 蓄電池の世界大手に成長しているBYD集団も初ランクインしました2002年の14億元から、2006年には133億元と、5年間で売上高が約10倍に跳ね上がりました。 いまだに国営企業が経済の主流を占める中国でも、民営企業の実力を認めざるを得ないという段階に来ています。  今回のランキングではもうひとつの傾向が鮮明になってきました。それは産業における民営企業の地位の向上です。 華為を含め、上位10社のうち2社は民営企業です。トップ100社を見渡しますと、民営企業が45社を占めます。 国営企業は前年より4社減少しました。

  来年度も、特に上半期のSIサービス事業は低調を覚悟しているようです。 大型商談のいくつかが08年度以後へ先送りされるのが確実という日立は、やや長期的に“ITの上流”からグローバル事業を攻める戦略です。 「日系企業の海外での事業改革ニーズが高い」として、米国(00年)から日本(02年)、欧州(06年)へと現地のコンサル会社の買収や提携を拡大しています。 経営コンサルティング、システム・コンサルティング、SOX法対策コンサルティングなどで“日系企業の事業改革ニーズ”に食いつき、ソリューション事業の商談につなげたいといいます。 NTTデータの市場認識と同様に、NECも「グローバルな事業展開」の必要性が高まると見ており、これを自社の07年度以後の課題として掲げています。 具体的には、大きな赤字の源でした海外の携帯電話端末と欧州のパソコン事業の撤収を06年度に終えました。 海外法人の再編などを進めながら「シンクライアントなどの競争力のあるソリューションおよび商品を中心に海外市場で拡販」という路線を示しました。 来年度の重点投資分野として、グローバル事業向けの組織や製品・ソリューションの開発に約200億円を投じます。

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